Slack招待リンクを自動送信する!Google Apps Script活用術
- GAS
「Slackの招待リンクを手作業で送るのが面倒…」「登録者への対応が遅れて問い合わせが増える」そんな悩みはありませんか?
実は、Googleフォーム・スプレッドシート・Google Apps Script(GAS)を組み合わせれば、登録完了と同時にSlack招待メールを自動送信できます。これにより登録から参加までの時間を短縮し、担当者の作業工数を大幅に削減することが可能です。
本記事では、その具体的な実装方法から導入効果、注意点まで、実務ですぐに活用できる形で徹底解説します。
なお本記事は、もともとSHIFT AIの会員コミュニティ内で限定公開していた内容を、特別に一般公開しています。SHIFT AIでは、こうした実践的なAI活用ノウハウを日々研究・発信しており、誰でもすぐに実務で活かせる形で情報提供を行っています。
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手作業による招待リンク送信の課題とリスク
Slackは多くの組織で利用されていますが、新メンバーへの招待プロセスには共通の課題があります。
セキュリティ上の制約
Slackでは招待リンクを無差別に公開することができません。登録確認を行った上で、個別にメール等で送付する必要があります。これは安全性を保つ上で必要ですが、運用面での負担を生み出します。
手作業による非効率性
- 遅延リスク:担当者の対応が遅れると、新メンバーの参加が滞る
- 属人化:特定の担当者に依存し、不在時に対応が止まる
- 誤送信リスク:手動での作業ミスやコピペミスが発生
- 問い合わせ増加:「登録したのに案内が届かない」といった利用者からの問い合わせが増える
実際、あるNPO団体では短期ボランティアや学生など、登録から活動開始までの時間が限られているメンバーへの対応に特に支障が出ていました。
GASによる自動送信で実現する完全自動化
Google Apps Script(GAS)を活用することで、これらの課題を一挙に解決できます。
基本的な仕組み
- Googleフォームで登録情報を収集
- スプレッドシートに自動記録
- フォーム送信をトリガーにGASが自動実行
- 登録されたメールアドレス宛にSlack招待リンクを自動送信
- 送信ログもスプレッドシートで管理・確認可能
実際の導入効果
- 登録からSlack参加までの平均時間:90分 → 30分(67%短縮)
- 担当者の作業工数:月15時間 → 5時間(月10時間削減)
- 問い合わせ件数:月20件 → 3件(85%減少)
この自動化により、運営負荷の軽減だけでなく、新メンバーの満足度向上も実現しています。
Slack招待リンク自動化実装ステップ|フォームとシートの準備
まずは基盤となるGoogleフォームとスプレッドシートを設定します。
Googleフォーム側の設定
必要な項目は最低限以下の通りです。
- メールアドレス(必須):招待リンク送信先
- お名前(必須):メール本文の宛名用
- その他、組織に応じた項目(所属チーム、活動希望分野など)
スプレッドシート側の設定
フォームの回答は自動でスプレッドシートに記録されます。重要なのは項目名を正確に把握することです。GASでは項目名の完全一致が必須のため、改行や全角半角も含めて正確にコピーしてください。
Slack招待リンク自動化GASコードの実装|自動送信の核となる部分
以下が実際のGASコードです。
function onFormSubmit(e) {
const responses = e.namedValues;
const email = responses[“メールアドレス ※必ずメールが届くアドレスをご記入ください”]?.[0];
const name = responses[“お名前(フリガナ)\n例)○○○○○(○○○○○)”]?.[0];
const slackUrl = “https://join.slack.com/t/yourworkspace/shared_invite/xxxxxx”;
const subject = “【ご案内】Slackご招待リンクのご案内”;
const body = `
${name}さま
このたびは、ボランティアにご登録いただき誠にありがとうございます。
当会の連絡ツール「Slack」へのご招待リンクをお送りします。
──────────────
◆ Slack参加URL:
${slackUrl}
※Slackは無料で使えるチャットツールです。
※リンクの有効期限は発行から3日間ですので、なるべくお早めにご登録ください。
──────────────
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
`;
if (email && email.includes(“@”)) {
GmailApp.sendEmail(email, subject, body, {
cc: “admin@yourorganization.com”
});
}
}
コードのポイント解説
- onFormSubmit(e):フォーム送信時に自動実行される関数
- e.namedValues:フォームの回答データを項目名で取得
- responses[“項目名”]?.[0]:エラー防止のための安全な値取得
条件分岐:有効なメールアドレスの場合のみ送信実行
メール本文の設計|受け手に配慮した内容作成
効果的なメール本文には以下の要素を含めましょう。
基本構成
- 個人名での宛名:
登録された名前を使用し、パーソナライズな内容にしましょう。 - お礼の挨拶:
登録への感謝を表現します。 - Slack招待URL:
期限付きリンクと注意事項を記載しましょう。 - 参加後のアクション案内:
自己紹介チャンネルでの投稿テンプレートなどを案内しておくと便利です。 - 問い合わせ先:
困った時の連絡先を明記しましょう。
文面作成のコツ
- 堅すぎず、親しみやすいトーンを心がける
- リンクの有効期限を明確に記載
- 参加後の具体的なアクションを提示し、迷わせない工夫
Slack招待リンク自動化のトリガー設定と動作テスト|確実な自動化のために
Slack招待リンクをGoogleフォームの登録と連動して自動送信する仕組みは非常に便利ですが、確実に動かすためにはいくつかの手順と注意点があります。
トリガーの設定手順
GASコードを書いただけでは自動実行されません。「フォーム送信時にこのコードを動かす」という設定=トリガーが必要です。
- GASエディタで「トリガー」を選択
- 「トリガーを追加」をクリック
- 関数は onFormSubmit を選択
- イベントソースは「フォームから」
- イベントタイプは「フォーム送信時」
これで、Googleフォームに回答が送信された瞬間にコードが実行され、招待メールが送信されるようになります。
動作テストの重要性
本格運用前に、必ずテストを行いましょう。
- 実際にフォームにテストデータを入力
- 自分のメールアドレスに招待メールが届くか確認
- 件名や本文が想定どおりか検証
- Slack招待リンクが有効で正しく動作するかチェック
ポイント:一度成功しても安心せず、複数回のテストで安定動作を確認することが大切です。
Slack招待リンク自動化の実装時の注意点とトラブル回避
実装時に細かな設定を誤ると正しく動きません。特にフォームの項目名やリンクの有効期限などは落とし穴になりやすいため、事前に押さえておきましょう。
フォーム項目名の完全一致
最もつまずきやすいのがフォームの項目名とコードの不一致です。
GASの e.namedValues[“項目名”] は、フォームの表示名と完全一致していなければ動作しません。
- 改行文字(\n)も含めてコピーする
- 全角・半角の違いを厳密にチェック
- スペースの有無も正確に反映
一文字でも違えば動作しないので、必ずシートからコピペしましょう。
Slack招待リンクの管理
Slack招待リンクにはいくつかの制約があるため、更新フローを整えておくことが重要です。
- 有効期限:通常3日間。期限切れ前に新しいリンクを取得して更新
- 使用回数制限:人数に上限がある場合があるため、運用ルールで管理
- 更新フロー:定期的に確認し、期限切れ時は速やかに差し替え
これを怠ると「リンクが無効です」という問い合わせが増えてしまいます。
送信ログの記録
後から検証できるように、ログを残す仕組みを追加しておくと安心です。
記録する項目例
- 送信日時
- 送信先メールアドレス
- 送信結果(成功/失敗)
- 使用したSlack招待リンク
監査やトラブルシュートにも役立ちます。
Slack招待リンク自動化のセキュリティとリスク管理
Slack招待リンクは組織への入り口になるため、セキュリティ対策は必須です。
招待URLの漏洩防止
- 使用回数制限:1回限り、または少数回の利用に制限
- 有効期限短縮:必要最小限の期間で運用
- アクセス元制限:可能であればドメインを限定
メール転送による不正利用の防止
- 個人メールアドレスではなく、企業や教育機関のアドレスを優先
- ドメインホワイトリスト方式を導入
- 重要な組織では「管理者承認フロー」を追加
GAS実行権限の最小化
- 必要最低限の権限だけを付与
- 定期的に権限を見直す
- アクセスログを確認して不正利用がないか監視
Slack招待リンク自動化のよくあるトラブルと対処法
Slack招待リンクの自動送信を運用していると、思わぬトラブルに直面することがあります。代表的なケースと対処法を整理しました。
「コードが動かない」場合
コードが動かないときは、まず基本の設定を確認しましょう。
- 項目名の再確認:フォーム項目とコード内の文字列を完全一致させる
- トリガーの確認:「フォーム送信時」に正しく設定されているか
- エラーログの確認:GASエディタの実行ログで原因を特定
「メールが届かない」場合
メール不達は環境や制限によることが多いです。
- 送信制限:Gmailは1日500通まで(複数アカウントで分散可能)
- 迷惑メール振り分け:受信者にフォルダを確認してもらう
- 宛先チェック:@マークを含むかなど、基本的な妥当性を確認
「Slack招待リンクが無効」場合
招待リンクの仕様や設定が原因となることがあります。
- 期限切れ:Slackのリンクは通常3日間で失効
- 使用回数超過:リンクに設定された上限に達していないか確認
- ワークスペース設定変更:Slack管理画面で招待設定が変わっていないか確認
投稿者プロフィール
名前:皆川純子
Instagramアカウント: https://www.instagram.com/remote_ai_official/
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