【実績者インタビューVol.17】AIは未来の景色を変えてくれるーー金融の修羅場で磨いた「本物のコンサル力」とは?
50代からでもAIって身につけられる?
介護と両立ってできるの?
【実績者インタビュー】では、SHIFT AIに所属し、AIを活用してユニークな実績を出している方々を『AIシフター』と銘打ち、インタビューを行います。彼らがどのような軌跡をたどり、どんな風にAIを活用しているのか。素朴な疑問をぶつけながら、その成功の秘訣を探ります。
今回登場するのは、内部統制・コンプライアンス・危機管理を専門とする戦略コンサルタント、柳町さくらさん。58歳でAIを本格的に学び始め、母の介護と仕事を両立させながら、収入を約2倍に伸ばした異色のAIシフターです。
「還暦を前にして、AIに出会って。これは学び直すしかないと思いました。母の介護ベッドの横でPCに向かって講座を受けていたんです」
高校生で父を亡くした柳町さんは、父の仕事を継ぐため、制服姿のまま金融回収の現場に立ちました。ときにはリスクの高い手形の回収のために“怖い大人”が仕切る事務所に乗り込んだこともありました。その後も男性社会で揉まれ、ブラックマンデーという過去最大規模の金融危機を乗り切り、デジタルハリウッド創設期から受講して、新しい波を追い続けてきました。そして今、AIコンサル業界の玉石混交問題に警鐘を鳴らしながら、次世代に「本物の力」を伝えようとしています。
還暦を目前にして、なぜAIに挑戦したのか。金融の修羅場で培った「コンサルの本質」とは何か。その軌跡を紐解きます。
柳町さくら
内部統制・コンプライアンス・危機管理を専門とする戦略コンサルタント。 高校卒業後、父の急逝をきっかけに金融回収業を引き継ぎ、10年間の業務で多様な業種・経営者と向き合いながら「コンサルティングの本質」を体得。その後、地域再生プロジェクトや監査法人でのプロジェクト参画を経て、コンサルティング分野へ転身。 SHIFT AIに入会後は、母の介護と仕事を両立しながらAI活用を本格化。Gemini、Claude、Perplexityなど複数ツールを自在に使いこなし、資料作成などの業務効率を飛躍的に改善。AI導入によって収入は1.7〜2倍に増加した。SHIFT AIの受講生として、コンプライアンスとAIを架橋する実践者の一人。
- 職種
- 内部統制・コンプライアンス・危機管理コンサルタント
- SHIFT AI受講歴
- 2024年8月末入会
- 受講した講座
- AIコンサルタント、SEO案件獲得合宿、ChatGPT・Gemini使い方講座ほか
- 収入before→after
- 約2倍に
目次
制服姿で金融回収――コンサルの原点
柳町さんの人生は、父の急逝によって、18歳で劇的に変わりました。父が営んでいた金融業を継ぐことになったのです。
「父の仕事は“手形割引業”。資金繰りに苦しむ会社にお金を融通し、期日が来れば回収に走る仕事でした。銀行が手を出さないリスクの高い案件も多く、まともに銀行からお金を借りれない“グレー”な人が訪れる業種ではありました」
学生服姿のまま、「怖い大人」の事務所にも足を運んだと言います。
「暴対法ができる前の、まだグレーゾーンだった時代です。制服を着たまま、相手の事務所に乗り込んで『すいません、お金返してください』とハンコを押してもらっていました」
当時の金融業界は男の世界。18歳の「女の子」が立ち入るには、あまりにも過酷な環境でした。しかし、柳町さんはそこで「コンサルティングの本質」を学んだと振り返ります。
「もちろん怖い人だけじゃないんですよ(笑)。回収は、ただお金を取り立てるだけじゃないんです。貸した以上、どうやったら返せるかを一緒に考えなければいけない。いろんな業種、いろんな人物にコンサル的なことをしながら回収を目指していく。その経験が、今の私の基礎になっています」
10年間、手形割引の仕事を続けた柳町さんですが、サラ金全盛の時代が到来し、業界の先行きに疑問を感じるようになりました。
「定額の月収しかないサラリーマンが返済のために、資金を作れるとは思えなかったんです。つまり貸してもかなりの確率で債権回収は不可能になることしか考えられなかったので、10年目で貸金業の免許を返納しました」
ブラックマンデーを回避、コンサルへの道へ
事業を畳んだ後、柳町さんは地域再生プロジェクトに関わる中で、あずさ監査法人のプロジェクトに参加しました。そこで出会った副社長に、コンサルタントとしての実力とユニークな経歴が評価され、コンサルティング部門が独立する際に社外取締役として迎えられました。
この時期、柳町さんには忘れられないエピソードがあります。1987年10月のブラックマンデー、1日に22.6%安(ダウ平均株価)という世界的株価大暴落を、2日前に「なんとなく勘づいていた」というのです。
「私は、外国人投資家の動きを見ていたんです。当時はまだ一般の人はあまり外国人投資家を見ていなかったんですが、証券会社の営業マンの方々が所々に『外国人投資家が』という話を口にしていて」
お金の流れの変化を敏感に察知した柳町さんは、全部売り抜くことを決断しました。周囲は「もっと上がりますよ」と引き留めたものの、その2日後に市場は阿鼻叫喚となりました。
「若いからこそアンテナの張り方があると、証券の方々もおっしゃっていました。波を実際に見抜いていくのは若者の仕事だと」
その感度の良いアンテナはAIという新しい技術にも素早く反応しました。
母の介護ベッドの横でAIを学ぶ
2024年8月末、柳町さんは58歳でSHIFT AIに入会します。きっかけは、業務効率化の必要性でした。
「セミナー資料を作る仕事が増えていたんですが、業種によっては条例や制作が頻繁にアップデートされるものもあって、調べるのに非常に時間がかかっていました。AIに任せようと思ったんです」
当時、柳町さんは母の介護をしながら仕事をしていました。
「母の介護ベッドを、PCの向こう側に置いて、母の様子を見ながら仕事をする状態だったので、AIについての情報をリサーチする時間はありませんでした」
他のAIセミナーも受講しましたが、「薄っぺらい」と感じることが多かったと言います。
「SHIFT AIはコンテンツの豊かさが違います。なのでAIの情報については、全面的にSHIFT AIにお願いしようと思ったんです」
最初に年間契約したツールは「Monica(モニカ)」。SHIFT AIのイベントで「珍しいですね」と言われたそうですが、柳町さんには明確な理由がありました。
「アイコンがまず可愛かったんです。ちょっと癒されたかったんですね(笑)。でもMonicaは当時から、一気に情報を調べられる機能があったんです。伸びていくものってやっぱりあるんですよね」
現在はGemini、Claude、Perplexity、Gammaなど複数のツールを使い分けています。
効率化で収入は約2倍へ――でも本質は別にある
AIを活用した結果、柳町さんの業務効率は劇的に向上しました。
「1つの資料を作るのに4時間かかっていたのが、AIでアウトラインを作ってもらい、プロンプトも業種ごとに作り込んだ結果、半分の時間で終わるようになりました。残りの時間で裏付けを確認すればいい」
その結果、仕事量は2倍に。収入もそれに伴って増加しました。しかし柳町さんが強調するのは、AI導入の「光」だけではありません。
「AIを導入したのに、かえって業務が混乱している企業もあります。これはAIそのものの問題ではなく、制度設計や内部統制が追いついていないからです」
実際、柳町さんのもとには「AI導入で機能不全を起こした企業」からの依頼が増えているそうです。その裏側には、「AIコンサルの大量発生」という問題があると指摘します。
AIコンサルの玉石混交――「SHIFT AIの看板」を背負う責任
柳町さんは、AI業界、特にAIコンサル領域の現状について、率直に語ってくれました。
「本当にできる人と、言葉尻だけをやっている人。両極端なんです」
SHIFT AIの交流会で自己紹介をすると、「何を使ってるんですか?」とよく聞かれたそうです。しかし柳町さんは、案件獲得が目的ではないと強調します。
「これからコンプライアンス自体が未整備の業界になっていく中で、本当に制度設計や現場に即した活用ができる人材の重要性を感じています」
そして、SHIFT AI出身者としての責任感についても語りました。
「SHIFT AIで学んだというのは『看板』です。だからこそ、適当な人が出ると、コミュニティ全体の信用を損ないかねない。木内代表が日本中をAI人材にするという志から外れてしまいます」
一方で、柳町さんは「玉石混交だからこそ、本物が際立つ」とも考えています。
「組織を経験してきた人がやるAIコンサルでの制度設計と、そうじゃない人がやるものでは、部門間の連携構築に大きな差が出ます。AIは道具。本物が使いこなすことで大きな価値になると思います」
還暦手前からの挑戦――「遅すぎることはない」
インタビューの最後に、柳町さんから読者へのメッセージをいただきました。
「AIは未来を切り開く仲間です。一歩踏み出せば必ず景色は変わります。私は50代で本格的に学び始めましたが、遅すぎるということはありません」
金融の修羅場で培った「コンサルの本質」、ブラックマンデーを回避した「波を読む力」、SHIFT AIで培った「学び続ける姿勢」。そのすべてが、今の柳町さんの生き方につながっています。
SHIFT AIでは、こうしたさまざまな「AIシフター」の挑戦を応援しています。無料セミナーやコミュニティで、あなたも一歩を踏み出してみませんか。
撮影場所: WeWork Shibuya Scramble Square
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